肌の「ハリ」と「うるおい」には
コラーゲンが重要です。
コラーゲンというのは、タンパク質でできた非常に固い繊維組織です。
ビルには鉄筋でできた柱がはりめぐらされていますが、皮膚の奥の真皮にもコラーゲンが柱となって真皮を支えています(下図)。
コラーゲンのすき間にはヒアルロン酸が保持されていて、水分をたくさん吸って肌に潤いを持たせています。
医師が解説DOCTOR COMMENTARY
年齢とともに肌がたるむのは
コラーゲン組織が減るからです。
肌にダメージを与えると繊維芽細胞が
活性化しコラーゲンを作り出し、
肌にハリが出ます。
美容皮膚科医療「肌にハリを持たせるために
肌を痛めつける」という施術が多いです。
この重要ポイントについて
医師が解説します。
医師 丸本 桂三
POINT01
コラーゲンというのは、タンパク質でできた非常に固い繊維組織です。
ビルには鉄筋でできた柱がはりめぐらされていますが、皮膚の奥の真皮にもコラーゲンが柱となって真皮を支えています(下図)。
コラーゲンのすき間にはヒアルロン酸が保持されていて、水分をたくさん吸って肌に潤いを持たせています。
POINT02
年齢とともにコラーゲンが壊れていきます。
コラーゲンが壊れると肌のハリも次第に減っていきます。
真皮はヒアルロン酸を保持できなくなり、年齢とともに皮内のヒアルロン酸の量も減ります。
水分の保有量が減りますので、肌にうるおいがなくなっていきます。
POINT03
上の図にある「線維芽細胞」という細胞ですが、コラーゲンを作る働きがあります。
ところが、線維芽細胞は普段ずーっと寝たままです。働きません。
なので、年齢とともにコラーゲンが減っていっても、線維芽細胞が働かないので、コラーゲン組織は壊れたままです。
POINT04
「皮膚を切る」などケガをしたとします。
皮膚がダメージを受けると、線維芽細胞が急に起き出し、コラーゲンを作り始めます。皮膚を修復するためです。
他の細胞も活発化してどんどん皮膚を修復していき、傷を治そうとします。
POINT05
バーベルなどで筋トレすると翌日などに筋肉がすごく痛くなります。
これはハードな筋トレのせいで、筋肉繊維が損傷したために、その炎症で痛みを感じるのです。
筋衛星細胞という細胞があるのですが、これも普段は寝ているのですが、筋肉にダメージが加わると起き出してきて筋肉繊維の細胞をどんどん作り始めます。
その結果、筋肉が増強します。
つまり、筋トレというのは
「筋肉にダメージを与えることで、人間本来の回復力を利用して筋力アップする」
というものなのです。
人間の体の組織は、ダメージを受けるとそれを修復しようとする働きがあります。修復されるだけでなく、組織が逆に強化されたりします。
美容皮膚科医療でもそれを利用して肌を強化する施術がたくさんあります。
POINT06
サーマクールやハイフやテノールなどの施術は肌のハリを取り戻す施術です。
これらの機械で施術を行うと、皮膚や皮下の組織を破壊します。コラーゲンの一部も熱で拘縮を起こし、破壊されてしまいます。
コラーゲンなどが破壊されたら、肌のハリがなくなりそうな気がしますが、結果は逆です。
下の図のように線維芽細胞が刺激を受けて急に働き始め、コラーゲンをたくさん作りだし始めます。
そのため、肌にハリが戻り、うるおいも強化されます。
もちろん、強すぎるとヤケドのリスクがあるわけですが、肌に与える刺激が強ければ強いほど回復力も強くなり、肌のハリが増します。
POINT07
レーザートーニングの目的はシミを取ることです。皮膚のメラニンを破壊し、シミを減らします。
顔脱毛は顔の毛を生えなくすることが目的で、毛根のメラニンにレーザーを吸収させて、毛根を破壊します。
ところが、レーザートーニングも顔脱毛も、レーザーを打つことで、皮膚内に熱がこもってしまうので、その熱で線維芽細胞が刺激されてしまいます。そのため、コラーゲンが増え、肌のハリが増えます。
もちろん、サーマクールやハイフやテノールほどの効果はないですが、やはり、副産物として「肌にハリ」が出てきます。
顔脱毛すると「肌の調子が良い」というのは、コラーゲンの増加も理由の内の一つです。